少年サッカーのコーチやお手伝いで突然やってくる「1人審判」の出番。副審がおらず、すべての判定を1人でこなさなければならないため、最初は誰でも緊張するものです。
この記事では、初めての1人審判で絶対に押さえておきたいポイントや、実際の試合で迷いがちなルールの判断基準、スムーズに試合を進行するためのコツをわかりやすく解説します。
脱・初心者!まずは「笛の強さ」と「声かけ」から
審判が初心者かどうか一番わかりやすく表れるのが「笛の吹き方」です。遠慮がちな弱い音だと、選手もプレーを止めて良いのか迷ってしまいます。モルテンのドルフィンなどのしっかりしたホイッスルを用意し、お腹から息を出して「ピィッ!」と短く鋭く吹くだけで、試合が引き締まり判定に説得力が生まれます。自信をもって思いっきり吹きましょう!!
そして、ただ笛を吹くだけでなく、プレーを見ながら「ナイスクリア!」「手を使わないよ!」「そのまま続けて!」と選手へ適切な声かけや指示ができるようになってくれば、初心者を抜け出し視野が広くなってきた証拠です。
ここで迷う!実践で困るジャッジの基準と対応策
1人審判で最も頭を悩ませるのが、とっさの判断です。よくある疑問点とその対応を整理しておきましょう。
- オフサイドが適用されないプレー(リスタート) 試合が止まった後のリスタートにおいて、「スローイン」「ゴールキック」「コーナーキック」から直接ボールを受けた場合、オフサイドは適用されません。 攻撃側の選手がどれだけ前線で待ち構えていても反則にはならないため、うっかりオフサイドの笛を吹いてしまわないよう注意が必要です。(※フリーキックからのリスタート時は通常通りオフサイドが適用されます)
- バックパスの判断 味方からの「意図的なキック(足)」によるパスを、ゴールキーパーが手で扱うと間接フリーキックになります。ただし、足裏でのトラップミスが流れてしまった場合や、膝、胸、頭を使った意図的なパスは手で扱っても反則にはなりません。
- ファールの判断 基本は「不用意、無謀、過剰な力」が基準ですが、少年サッカーでは「安全第一」が鉄則です。悪意がなくても、相手をケガさせるリスクのある危険なプレーには早めに笛を吹き、試合をコントロールすることが大切です。
- 故障者が出た場合の止めるタイミング 頭や顔を打った場合、または明らかに深刻なダメージを受けている場合は、プレーの展開に関わらず「即座に」笛を吹いて試合を止めます。軽い接触やプレーに影響のない転倒であれば、次にボールがタッチラインを割るなどプレーの切れ目まで待つのが基本です。
- ドロップボールの仕方 プレーが停止した時にボールがあった位置で、最後にボールに触れていたチームの選手1人にドロップします(他の選手は4m以上離れる)。ペナルティエリア内でプレーが止まった場合は、どちらのボールであっても守備側のゴールキーパーにドロップします。
- 反則発生時の「直接」と「間接」の違い 「直接フリーキック」は、相手競技者との接触を伴うファール(蹴る、つまずかせる、押すなど)やハンドリングが対象です。「間接フリーキック」は、接触を伴わない危険なプレー(ハイキックなど)、オフサイド、前述のバックパスなどが対象になります。
- 壁までの距離(少年サッカー基準) フリーキック時の壁までの距離は、8人制サッカーの場合7メートルです(11人制の9.15mとは異なります)。守備側が近すぎる場合は、審判が歩幅でしっかり7mを測り、壁を下げさせましょう。
- ゴール判定と成立時の対処(シグナル) 混戦などで「今のは入ったの?」と迷う場面もよくあります。ゴールの基準は、ボールが「完全に」ゴールラインを越えたかどうかです。少しでもライン上にボールがかかっていればノーゴール(プレー続行)となります。 1人審判で際どいシュートがあった場合は、できる限りゴールラインの延長線上付近までダッシュして見極める意識を持ちましょう。ゴールと判断した場合は、笛を「ピーッ」と明確に長く吹き、腕を伸ばしてセンターマーク(ピッチの中央)を指差します。 そのままセンターサークルへ向かって走って戻る動きをすることで、周囲に「ゴール成立」を堂々とアピールできます。
1人審判をスムーズにこなすためのプラスアルファ
さらに以下の点も意識すると、審判としての質が格段に上がります。
- アドバンテージの適用(見極め) ファールがあっても、ファールを受けた側のチームが有利にボールをキープしてチャンスが続いている場合は、「プレーオン(アドバンテージ)」のジェスチャーと声かけでプレーを続行させます。これができると試合のテンポが良くなります。
- 時間の管理は確実に 1人審判はボールを追うのに必死になり、時計を見るのを忘れがちです。タイマー機能に優れ屋外でも視認性の高いスマートウォッチなどを活用し、ロスタイムも含めてきっちり管理すると安心です。
- 対角線を意識したポジショニング 副審がいないため、オフサイドライン(最終ライン)とボールの位置を常に同一視野に入れる必要があります。フィールドを対角線に動くイメージ(ダイアゴナル・システム)で走ると、死角が減り説得力のあるジャッジにつながります。
まとめ
最初は判定に迷ったり、ミスをしたりすることもあるかもしれません。しかし、最も重要なのは「子供たちの安全を守ること」と「堂々とした態度」でジャッジすることです。
ハッキリとしたホイッスルと明確なジェスチャーで、子供たちが安心して全力でプレーできる環境を作っていきましょう!

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