Linuxのipコマンドは、ネットワークインターフェースやIPアドレス、ルーティングの管理まで、現代Linuxの標準となった高機能なネットワーク制御コマンドです。ifconfigの後継であり、詳細な情報取得や柔軟な設定が可能な点が特徴です。
ipコマンドとは?
- ifconfigの後継で、より多機能かつ詳細なネットワーク制御が可能。
- インターフェースの確認、アドレス管理、ルーティング操作、ARP管理、VLANやトンネル等の管理まで柔軟に対応できる。
- RedHat・Ubuntu・CentOSなど幅広いディストリビューションでデフォルトとなっている。
基本構文
ip [オブジェクト] [サブコマンド] [オプション]
例:ip addr show
(すべてのネットワークインターフェースのIP情報を表示)
主なオブジェクト一覧
オブジェクト | 機能説明 |
---|---|
addr | IPアドレスの表示・設定 |
link | ネットワークデバイスの状態確認・設定 |
route | ルーティングテーブルの確認・制御 |
neigh | ARPキャッシュ(近傍テーブル)の操作・参照 |
基本コマンド・使用例
IPアドレスの表示・取得
ip addr show
# または
ip a
- eth0インターフェースのみ表示
ip addr show eth0
- IPv4アドレスのみ表示
ip -4 addr show
IPアドレスの追加・削除
sudo ip addr add 192.168.1.100/24 dev eth0
sudo ip addr del 192.168.1.100/24 dev eth0
インターフェース管理
- ネットワークデバイスの状態一覧
ip link show
- デバイスの有効化/無効化(起動/停止)
sudo ip link set dev eth0 up
sudo ip link set dev eth0 down
sudo ip link add link eth0 name eth0.100 type vlan id 100
ルーティング操作
ip route show
sudo ip route add default via 192.168.1.1
sudo ip route del default via 192.168.1.1
ARP(neigh)管理
- ARPキャッシュの表示・管理
ip neigh show
sudo ip neigh del 192.168.1.10 dev eth0
より詳細な使い方・テクニック
- カラー表示:
ip -c addr
で色分けして視認性向上。 - コマンドの短縮エイリアス:
alias ipa='ip a'
など、効率化に便利。 - スクリプトとの連携: シェルスクリプトに組み込み、大量のネットワーク設定が自動化できる。
注意点・トラブル対策
- 設定変更は原則「一時的」。永続化には
/etc/network/interfaces
やNetplan
、network-scripts
等、各ディストリビューションの設定ファイル編集が必要。 - ネットワーク設定を誤るとSSH切断等につながるため、リモート作業時は注意。
- VLAN、トンネル、IPネームスペース、ポリシールーティング等も「ip」コマンドで詳細に操作可能(詳細は公式ドキュメント参照)。
まとめ
Linuxのipコマンドは、「インターフェース表示」「IPアドレス追加・削除」「ルーティングやARP管理」等、多様なネットワーク操作を1つで制御できます。基本的なコマンドと代表的オプションを押さえておけば、トラブルシューティングから自動化まで幅広く活用できる必携コマンドです。
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