RESTとHTTPの違いを完全解説 – Web開発者のための基礎知識

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インターネット上でのデータ通信において、HTTPとRESTは異なる役割を持つ重要な要素です。HTTPが基本的な通信プロトコルとして機能する一方、RESTはWebアプリケーションを設計するための architectural style(アーキテクチャスタイル)として定義されています。

HTTPとは

HTTP(Hypertext Transfer Protocol:ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)は、Webでファイルやデータをやり取りするための通信プロトコルです。

主な使われ方

  • Webブラウザでニュースサイトを閲覧する
  • スマートフォンアプリで天気予報を確認する
  • オンラインショッピングで商品を注文する
  • SNSで写真や動画を投稿する

基本的なHTTPメソッド

  • GET: リソースの取得(例:Webページを表示する)
  • POST: 新規リソースの作成(例:フォームを送信する)
  • PUT: 既存リソースの更新(例:プロフィール情報を変更する)
  • DELETE: リソースの削除(例:投稿を削除する)

RESTとは

REST(Representational State Transfer:レプリゼンテーショナル・ステート・トランスファー)は、分散システムのためのソフトウェアアーキテクチャスタイルです。

主な使われ方

  • スマートフォンアプリとサーバー間のデータのやり取り
  • 異なるWebサービス間の連携(例:SNSへの自動投稿)
  • IoTデバイスの制御(例:スマートホームシステム)
  • クラウドサービスの利用(例:オンラインストレージ)

主な特徴

  • クライアントとサーバーの完全な分離
  • ステートレス性による高いスケーラビリティ
  • キャッシュ機能による効率的なデータ転送
  • 統一されたインターフェース

RESTとHTTPの関係性

RESTはHTTPプロトコルを活用してWebサービスを構築するアーキテクチャパターンです。両者の関係は以下のように整理できます

HTTPの役割

  • 通信プロトコルとしての基盤を提供
  • リクエスト・レスポンスの標準的な形式を定義
  • ステートレスな通信を実現

RESTの役割

  • リソース指向の設計原則を提供
  • URIによるリソースの一意な識別
  • HTTPメソッドの適切な使用方法を定義

実装における違い

データフォーマット

RESTでは、主に以下のフォーマットでデータをやり取りします:

  • JSON(最も一般的)
  • XML
  • プレーンテキスト

RESTの主要な制約について

クライアント/サーバーの分離

クライアントとサーバーは完全に独立した存在として設計されます。

この分離には以下の利点があります

主な特徴

  • マルチプラットフォーム対応が可能(PC、モバイル端末、ゲーム機など)
  • クライアントとサーバーが互いに依存せずに進化可能
  • ユーザーインターフェースとデータストレージの分離による拡張性の向上

ステートレス性

すべての要求に必要な情報は、クライアントからの各リクエストに含まれている必要があります。

重要なポイント

  • サーバー側でセッション情報を保持しない
  • すべての状態情報はクライアント側で管理
  • 例:ログイン状態の維持にはJWTなどのトークンを使用

キャッシュ可能性

レスポンスデータのキャッシュ可否を明示的に示す必要があります。

特徴

  • レスポンスにキャッシュの可否を明示
  • 同一リクエストに対する応答の再利用が可能
  • cache-controlヘッダーでキャッシュの制御を実施

階層化システム

システムは複数の階層で構成され、各階層が独立して機能します。

主な実装例

  • ロードバランサーによる負荷分散
  • プロキシによるアクセス制御
  • セキュリティ処理層の追加

利点

  • 高い拡張性の実現
  • モジュール化されたアプリケーションの構築が可能
  • クライアントは直接のサーバーか中間層かを意識する必要がない

これらの制約に従うことで、スケーラブルで信頼性の高いWebアプリケーションを構築することが可能となります。各制約は独立していながらも、相互に補完し合い、全体として堅牢なアーキテクチャを形成します。

REST APIの設計

  • リソースを適切なURIで表現
  • HTTPメソッドを目的に応じて正しく使用
  • レスポンスには適切なステータスコードを使用

エラーハンドリング

  • 標準的なHTTPステータスコードの使用
  • エラーメッセージの明確な記述
  • 適切なエラーレスポンスの形式の統一

まとめ

RESTとHTTPは密接に関連しながらも異なる役割を持っています。HTTPが通信プロトコルとしての基盤を提供する一方、RESTはそれを活用してWebサービスを構築するための設計原則を提供します。両者の特徴を理解し適切に組み合わせることで、効率的で拡張性の高いWebアプリケーションを構築することが可能となります。

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