AI時代の開発効率化や自動化の要として注目される「MCPサーバー」。この記事では、初心者からエンジニアまで役立つMCPサーバーの構築手順とポイントを、実践的かつ分かりやすくまとめます。
特に「ファイルシステム連携」や「Pythonによる独自サーバー作成」など、2025年の最新動向を踏まえた内容です。
MCPサーバーとは?
MCP(Model Context Protocol)サーバーは、AIエージェントやLLM(大規模言語モデル)と外部リソース(ファイル、API、DBなど)をつなぐ中継サーバーです。
これにより、AIがローカルファイル操作や外部サービス連携を安全かつ柔軟に実現できます。
構築方法の全体像
MCPサーバーの構築は、主に以下の3ステップで進めます。
- 必要な環境の準備
- MCPサーバーのインストール・設定
- サーバーの起動とクライアント連携
用途やスキルに応じて「既成パッケージ利用」と「独自サーバー開発」の2パターンから選択できます。
環境準備
必要なもの例:
- Node.js(JavaScriptサーバー用)またはPython(独自開発用)
- ClaudeデスクトップやCursorなどのMCPクライアント(用途による)
- ターミナル(コマンド実行用)
システムアップデートも推奨
- Linuxの場合は
sudo apt-get update && sudo apt-get upgrade -y
で最新化。
MCPサーバーのインストール・セットアップ
既成パッケージで手軽に始める
例:ファイルシステムMCPサーバー(Node.js)
- Node.jsをインストール
- ターミナルで以下を実行
npm install -g @modelcontextprotocol/server-filesystem
- クライアント設定ファイル(例:Claude Desktop)でサーバーを登録
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": ["@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/path/to/allowed/directory"]
}
}
/path/to/allowed/directory
はAIにアクセスさせたいディレクトリに変更。
Pythonで独自MCPサーバーを構築
プロジェクト環境の作成
mkdir mcp-server
cd mcp-server
python3 -m venv dev-env
source dev-env/bin/activate # Windowsの場合は dev-env\Scripts\activate
pip install mcp mcp[cli]
サーバーコードの作成(例:計算ツール)
calculator.py
というファイルを作成し、サンプルコードを記述:
from mcp.server.fastmcp import FastMCP
import math
mcp = FastMCP("Hello World")
@mcp.tool()
def add(a: int, b: int) -> int:
"""Add two numbers"""
return int(a + b)
@mcp.resource("greeting://{name}")
def get_greeting(name: str) -> str:
return f"Hello, {name}!"
if __name__ == "__main__":
mcp.run(transport="stdio")
ローカルでサーバーを起動・テスト
python calculator.py
または MCP Inspector などのGUIツールで動作確認も可能。
クライアント連携・運用のポイント
- Claude DesktopやCursorなどのクライアント設定で、サーバーのコマンドパスやポートを指定
- セキュリティ設定(アクセス制限やファイアウォール)は必ず実施
- 定期的なアップデートとログ監視で安全性と安定性を維持
パフォーマンス最適化と運用ベストプラクティス
- キャッシュ(Redis/Memcached)やCPUピニング、リソース制御で高速化
- エラーハンドリングやログローテーションで信頼性を向上
- モックサーバーやステージング環境で事前検証
まとめ
MCPサーバーの構築は、「既成パッケージで手軽に」「Pythonなどで自由にカスタマイズ」どちらも選択肢があります。
AI活用の幅が広がる2025年、ぜひ自分に合った方法でMCPサーバーを導入し、開発や業務の自動化・効率化を体験してください。
参考:
(本記事は2025年6月時点の情報をもとに執筆しています)
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