Linuxのdfコマンドは、ディスク空き容量や使用状況を確認するために非常に重要なコマンドです。システム運用やトラブル対応、ストレージ使用率管理の基本として利用されます。本記事では、dfコマンドの構文・代表的なオプション・実用例を網羅的に解説します。
dfコマンドの基本構文と役割
- dfは「disk free」の略。
- dfコマンド単体 で現在マウントされている全ファイルシステムの空き容量を表示します。
- 基本構文:text
df [オプション]... [ファイル/ディレクトリ]...[ファイル/ディレクトリ]を指定しない場合は全てのマウント済ファイルシステムの状況が表示されます。
出力内容の解説
dfコマンドの出力例は以下のようになります。
| Filesystem | 1K-blocks | Used | Available | Use% | Mounted on |
|---|---|---|---|---|---|
| /dev/sda1 | 1038336 | 260860 | 777476 | 26% | /boot |
- Filesystem: デバイス名または仮想ファイルシステム名
- 1K-blocks: 総容量(デフォルトは1KB単位。-hなどで変更可)
- Used: 使用済み容量
- Available: 空き容量
- Use%: 使用率
- Mounted on: マウントポイント
主なオプション一覧と解説
| オプション | 内容・用途 | 使用例 |
|---|---|---|
| -h, –human-readable | KB/MB/GBなど人間に分かりやすい単位で表示 | df -h |
| -H | -h同様だが1,000進法(SI単位)を用いる | df -H |
| -a, –all | ダミーFS(proc等)も含め全ファイルシステムを表示 | df -a |
| –total | 最後に全ファイルシステム合計も表示 | df --total |
| -T | 各ファイルシステムの種類(ext4など)を表示 | df -T |
| -t <type> | 指定したファイルシステムタイプのみ表示 | df -t ext4 |
| -x <type> | 指定したファイルシステムタイプを除外表示 | df -x tmpfs |
| -i | 使用済/利用可能i-node数も表示 | df -i |
| –output= | 欲しいカラムだけ表示(例:source,avail,pcent,target) | df --output=source,avail |
| -l | ローカルファイルシステムのみ表示 | df -l |
| -k, -m, -g | kB, MB, GB単位で表示 | df -k df -m df -g |
| –help | ヘルプを表示 | df --help |
| (パス指定) | 指定したディレクトリやファイルが属するファイルシステムのみを表示 | df /home |
| –exclude-type=TYPE | 指定タイプを除外(-x類似。ex: –exclude-type=tmpfs) | df --exclude-type=tmpfs |
| –sync | 実行前にすべてのファイルシステムにsync | df --sync |
| -P | POSIX互換形式で表示 | df -P |
| –sort=KEY | ソートする(avail、used等で指定可) | df --sort=used |
代表的な使い方実例
・マウント中全FSの状態を確認
df・見やすい単位で容量を表示
df -h・特定のディレクトリが属するFSのみ容量確認
df -h /var・iノード数も表示
df -i・file type込み表示
df -T・合計も出したい場合
df -h --total・仮想FS除外して表示
df -h -x tmpfs -x devtmpfs・独自のカラムのみ出力
df --output=source,avail,pcent,target注意点・コツ
- dfが表示するサイズと実ファイルサイズは異なることがあります(予約領域・ファイルシステムの特性による)。
- 仮想環境やストレージ特殊構成時は出力内容に注意しましょう。
- 空き容量監視やスクリプト自動化でも頻出するため、オプション組み合わせを覚えておくと便利です。
まとめ
Linuxのdfコマンドを使いこなすことで、正確なディスク管理や障害時の速やかな対応が可能になります。導入・運用の現場や資格試験対策にも必須の知識となるため、ぜひ活用してください。




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