AIエージェントや外部ツール連携の新潮流として注目されるMCP(Model Context Protocol)。PythonでMCPクライアントを実装する際に役立つおすすめライブラリや実装例、周辺ツールをまとめました。MCPクライアント開発を検討している方はぜひ参考にしてください。
MCPとは?
MCP(Model Context Protocol)は、AIモデルが外部ツールやデータソースと安全かつ標準的にやり取りするためのプロトコルです。AIエージェントが外部の計算機能やデータベース、APIなどを柔軟に活用できるため、AIアプリケーションの拡張性と安全性が大きく向上します。
Pythonで使えるMCPクライアント向けライブラリ
1. mcp(公式Python SDK)
- MCPの公式Python実装。クライアント・サーバー両方に対応し、MCP仕様に準拠した通信・ツール呼び出し・リソース管理が可能です。
- 標準入出力(stdio)、SSE、HTTPなどのトランスポートをサポート。
- Claude Desktopや各種AIエージェントとの連携も容易。
- インストール例:text
pip install "mcp[cli]"
- ドキュメントやサンプルも充実しており、MCPクライアントの実装が非常に簡単です。
2. FastMCP
- mcpパッケージ内の
fastmcp
モジュールは、シンプルかつ高速にMCPサーバー・クライアントを構築できます。 - 標準入出力経由でのサーバー起動やクライアント接続が簡単に書けます。
3. dolphin-mcp
- 複数のMCPサーバーや様々なAIモデルとブリッジ接続できる多機能クライアント。
- CLIやPythonライブラリとして利用可能で、柔軟なツール統合・リソース管理が可能です。
- インストール例:text
pip install dolphin-mcp
- 複数サーバーの同時接続やリアルタイムツール呼び出しに強みがあります。
4. mcpomni-connect
- 複数プロトコル・AIモデル・ツールを統合管理できるCLIクライアント。
- シンプルなコマンドでMCPサーバーと連携し、直感的な操作性が魅力です。
- インストール例:text
pip install mcpomni-connect
- 複雑な統合や多様なAIワークフローにおすすめ。
5. langchain_mcp_adapters
- LangChainやLangGraphとMCPサーバーを連携するためのアダプター。
- LLMエージェントからMCP経由で外部ツールを呼び出す用途に最適です。
MCPクライアントの実装例(Python)
シンプルなMCPクライアント(公式SDK利用)
import asyncio
from mcp.client.stdio import stdio_client, StdioServerParameters
from mcp import ClientSession
async def main():
server_params = StdioServerParameters(command="python", args=["mini_server.py"])
async with stdio_client(server_params) as (read_stream, write_stream):
async with ClientSession(read_stream, write_stream) as session:
await session.initialize()
result = await session.call_tool("hello_world", {"name": "MCP"})
print("Tool result:", result.content)
if __name__ == "__main__":
asyncio.run(main())
この例では、標準入出力経由でMCPサーバーに接続し、hello_world
ツールを呼び出しています。
MCPクライアント開発のポイント
- 公式SDK(mcp)はドキュメント・サンプルが豊富で、初学者から実運用まで幅広く対応可能。
- 複数サーバーや高度な統合が必要な場合はdolphin-mcpやmcpomni-connectが便利。
- LangChainやLangGraphなどAIエージェント系フレームワークとの連携には専用アダプターを活用すると効率的。
- MCPサーバー側の実装もPythonで簡単に行えるため、クライアント・サーバー両方の開発がスムーズです。
まとめ
PythonでMCPクライアントを開発するなら、まずは公式SDK(mcp)を活用し、要件に応じてdolphin-mcpやmcpomni-connectなどの多機能クライアントも検討しましょう。AIエージェントや外部ツール連携の拡張性を最大限に活かせる、今注目の技術スタックです。
コメント