Pythonで開発を行う際、複数のプロジェクトを同時に進めていると、それぞれのプロジェクトで必要なライブラリのバージョンが異なることがあります。このような状況で、システム全体で1つのPython環境を使用していると、バージョンの競合や依存関係の問題が発生する可能性があります。そこで重要になってくるのが「仮想環境」です。この記事では、Pythonの仮想環境について、その基本概念から具体的な構築方法まで、詳しく解説していきます。
Pythonの仮想環境は、プロジェクトごとに独立した実行環境を作成できる機能です。これにより、異なるバージョンのPythonやライブラリを互いに干渉することなく使用できます。
プロジェクト管理の効率化
システムの安全性
チーム開発の効率化
python -m venv myenv
myenvは、作成する仮想環境名となるので、任意のネーミングをしてください。
また、これ以後に記載のmyenvは、任意に決めたものに置き換えてください。
Windowsの場合:
myenv\Scripts\activate
MacOS/Linuxの場合:
source myenv/bin/activate
パッケージのインストールは、仮想環境でも実環境でも同じです。
環境をactivateした状態で、以下の通りpipコマンドを実行すればオッケーです。
※実環境ですでにインストールしても、仮想環境には反映されないので、仮想環境でもこの作業は必要になります。
pip install パッケージ名
deactivate
新規プロジェクトの開始
mkdir myproject
cd myproject
python -m venv venv
source venv/bin/activate # Windowsの場合は venv\Scripts\activate
pip install numpy pandas
pip freeze > requirements.txt
Pythonの仮想環境は、開発プロジェクトの効率的な管理と安全な実行環境の構築に不可欠なツールです。適切に使用することで、プロジェクト管理の効率化、システムの安全性確保、チーム開発の円滑化が実現できます。初期設定に少し手間がかかりますが、得られるメリットは大きく、現代のPython開発において必須のスキルと言えます。